網膜剥離

この朱色の手術風景は、プロ画家でもある、私の、S100号の油彩大作作品である。冷静な気持ちの中で、困難な病気の患者を何とか助けたいと、極端に集中した熱い気持ちを、絵の中に表している。毎日毎日、燃える使命感で、多くの人々を、眼の病から救ってやり…

新国立美術館

昨晩、アメリカのフロリダで開催された世界中から約5万人も集まる、眼科アカデミー学会から、帰国した。私は日本人で最初のアチーブメントアカデミー会員として、世界の最先端の眼科知識と技術を討論しあう学会で毎年発表する。 しかし、日本を留守にすると…

青年は荒野を目指す

『光を!光を。開眼手術』深作秀春、作画、油彩、100F 僕が高校生の頃だったか、五木寛之さんの同様な題名の紀行小説があった。シベリヤ鉄道でヨーロッパに行きフィンランドのホテルに泊まり、そこでの恋愛などが描かれてもいた。 これは後日初めての海外旅…

Never Ever Give Up、(決して絶対にあきらめない)

3月11日の東日本大震災は今日でも多くの傷跡と後遺症を残している。 毎日の診療と手術件数が日々増えていることからブログを書き込めなかったこともあるが、大震災後の不安な心理を僕自身も感じていることもブログの遅れている理由でもある。 福島を中心に今…

GOETHE、細川護煕、佐々木豊

幻冬舎発刊でGOETHE(ゲーテ)という雑誌がある。仕事と人生を楽しんだ文豪ゲーテに因んだ名前だという。10月号での眼科の多焦点眼内レンズ移植術について取材したいとの連絡があった。ついては患者さんで著名な方との対談をお願いしたいとあった。著名な方の…

バルテュス、エチカの鏡出演

世界の画家達に大いなる影響を与えたフランス画家にバルテュスがいる。彼はインテリとして生活しながら、独特の挑発的な官能性を表現した。特に若いときは、世間への衝動的ショックを与えようと、かなりたぎり立つ欲望の形象化をしたり、不条理な場面を好ん…

生きることの意味

大げさなことのようで、実はいつもまじめに考えなくてはならないことであり、かつその答えはとても難しい。 僕が高校生のときは、生きることはなんだ、と自問自答しながら、ある哲学者が、“生きるとは経験することだ。”と述べていて救われた気がしたものだ。…

おもいっきりDON生放送出演

1月の18日の4チャンネルの人気ある昼番組"おもいっきりDON"に生出演しました。 そもそもは中山秀さんの、ウチクル担当のプロデューサーを手術して、多焦点眼内レンズを移植したのですが、彼は手術後には両眼とも裸眼で1.5で、近くも細かい辞書の字さえ裸眼で…

2009年度、アメリカ眼科アカデミー学会受賞。

先般、アメリカのサンフランシスコで行われた世界最大で権威のあるアメリカアカデミー眼科学会AAO(American Academy of Ophthalmology)に参加した。 私は日本人で初めてのアカデミー眼科学会のアチーブメントオーナー会員で、これは今までにアカデミー会員と…

美を求める心

最近とにかく忙しい。その理由のひとつは、多くの困難な眼の病気を抱えた患者さんが日本中や世界からさらに多く来院して、診療と手術に忙殺されていることはもちろんのことです。また、さらに近年、油彩の絵を描くことにプロとしての意識で夜中に作品を作成…

南アフリカに世界の眼科の希望が集まる

南アフリカに世界の眼科の希望が集まる 8月8日から10日にかけて、欧米を中心とした世界最先端の眼科外科医が南アフリカで眼科学会を行いました。私も日本から唯一の招待講演者として講演してきました。 世界の最も有力な話題は、老眼の矯正です。この老眼を…

花も花なれ 人も人なれ

花も花なれ、人も人なれ 細川護煕さんは吉井さんのご紹介から、以前より患者さんとして来ていただき、白内障の手術治療も当方で行い、経過良好です。今回、奥様の佳代子さんにも白内障治療をご依頼頂き、多焦点レンズによる手術治療で、遠方と中間、近くと裸…

2009年度アメリカ白内障屈折矯正手術学会を再び制覇!

2009年度アメリカ白内障屈折矯正手術学会ASCRSにて学会賞を再び受賞。18回目の大賞であり、世界で最多の栄誉に輝いた。 春に行われる、眼科の世界大会が、本年は米国のサンフランシスコで開催された。世界中から最先端の手術療法と臨床研究が発表された。学…

おいしい生活

写真の二川幸夫さんは建築写真では世界一の実績と哲学を持ち、GAという世界的に著名な建築写真の専門誌を出版されています。自分が気に入った建築の写真しか撮りませんが、二川さんに写真を撮ってもらえることは、建築家のステータスとさえ言えます。また、…

美しきものを見る眼差し

建築家の安藤忠雄さんから、瀬戸内海の直島の本を送って頂きました。その中に見るべきポイントに付箋がありました。左の写真は地中美術館のウォルター、デ、マリアと安藤さんとの空間作品です。右は草間さんの南瓜です。 直島は、かつて三菱の精錬所から排気…

美しきものを愛でる心

私は横浜生まれの横浜育ちですが、学生時代に他所に暮らした経験があります。パイロットの航空大学時代は宮崎の南国生活を味わいました。その後の医学部生時代は関西で暮らしたく思い6年間を良くも悪くも昔からの価値観が漂う石山寺近くに住んでおりました。…

日本の将来は如何に?価値を創造するということ。

先日、乃木坂にあるギャラリー間で、安藤忠雄さんの初期の傑作である住吉の長屋の実物大模型を見に行った。ギャラリートークがあったためか、実に多くの老若男女で狭いギャラリーはすし詰め状態でした。私も後ろのほうで立ち見でいつもの安藤節を堪能しまし…

Life is beautiful.人生とは、かくも面白く美しい。

昨夜、日本一の画商として知られる、吉井長三さんの“銀座画廊物語”(角川書店)の出版記念会があり参加しました。 吉井さんとの出会いは、私の患者さんとしてが最初ですが、もともと画家を目指していたこともある私にとっては、医学以上の、美術の世界の師匠…

ファンであること

僕は本来かなりの天邪鬼です。他の人が有名な芸能人とかスポーツ選手もしくは著名なセレブなどに、素直に憧れの眼を向けてサインしてくださいなどと近づくことを尻目に見ても、自分から近づくことはまずありません。米国の学会帰りの飛行機で隣にゴルフの丸…

眠れぬ夜の為に

以前、細川さんが総理を退任してから修行し、陶芸のプロとして大成されたことを紹介した。今、京都で老舗の道具屋さんで展示会をしています。これも素晴らしいのですが、僕は、細川さんの書には今までの蓄積があるためか、本物の芸術の輝きがより感じられま…

百聞は一見にしかず

自分でもあまり分からない分野のワインですが、今回とても貴重な経験ができました。ワインを知りたかったら、最高のワインを味わうこと。これこそが百聞は一見にしかずです。眼科手術でも世界最高の深作眼科の手術を受けた方は、この一見を深く味わっていま…

青年は荒野をめざす。

僕が高校生の頃はいつか海外を旅して、世界の中で活躍してみたいと思ったものでした。今より気楽に海外に行けない頃です。五木寛之の小説にある”青年は荒野をめざす“などの本に影響も受け同じ道を辿ったこともありました。高卒後は宮崎の航空大学でパイロッ…

見ること、視ること、観ること、診ること。

日常の中で、私は多くの“みること”の中にあります。 最も多くの時間を使うのは、仕事の中で患者を診ることです。眼科手術を専門としていることから、当然、眼の問題の方の来院がほとんどです。 深作眼科はすっと以前より、白内障手術での評判が高く、すでに…

匠の人々

最初の写真はかつての首相の細川護煕さんとのショットです。背景には私が多くの国際眼科学会で受賞したトロフィー類の一部の展示が見られます。 すでに多くの方に知られていますが、細川さんは文章も名人であり、かつ陶芸では既に有名で、陶芸家のプロとして…

本物との出会いは幸せのサイン

この女性のうなじを描いた、ひどく色っぽさも感じる絵には、老成の画家を窺うだろう。 しかし、正解は18歳頃のパブロ、ピカソの絵です。これは吉井さんの所有でパリの吉井画廊にありますが、一般には公開してませんので、この絵を見たときには幸せの気持ちで…

僕の大好きな赤ひげ

僕の大好きな赤髭 少し前に、朝日新聞の人脈記にて、各科の医師が紹介された。題して、“ブラックジャック達”とあった。この医学の名医を紹介した朝日新聞の企画で人選につき多少の相談があった。私は、やはり世界的に活躍している、腕のある名医を紹介したほ…

パリの空の下セーヌは流れる。美食と芸術の都

急遽5月直ぐに、フランスに向かいました。毎年かならず参加する海外学会以外での渡航は直前の予約などが多い。今回も直前に決まったものです。 海外で暮らすならパリが思い浮かぶくらい、興味深いものが多い。 磯崎さんや安藤さんなどの影響などの影響もあり…

宇宙船地球号

世界的な建築家で、日本だけでなく、むしろ世界での活躍で知られる、磯崎新先生から、群馬県立美術館での建築美術展に来ないかとお誘いを受けました。先日、私の所にいらした後に、羽田から中国に向かい3箇所を巡って帰国して、すぐに群馬の展示会に入ったそ…

敷島の大和心を人問わば

敷島の大和心を人問わば、朝日に散りぬ桜花かな。 日本人の美意識の心はなんだろう、と考えたときに、朝日の中でひらひらと舞い散っていく桜の花びらのような、光と陰、微妙な色味と変化、移ろい行く瞬間の美しさではないか、と思えてきたわけです。 本居宣…

2008年度ASCRSアメリカ白内障屈折矯正手術学会制覇

白内障手術、近視矯正、老眼矯正、緑内障手術などでは世界最高の眼科学会がアメリカのシカゴで4月3日から9日まで開催されました。 僕にとっても一年で最も重要な学会です。特に世界中の代表的な眼科外科医がその技術やアイデアを競う、眼科では最も歴史があ…