Life is beautiful.人生とは、かくも面白く美しい。


昨夜、日本一の画商として知られる、吉井長三さんの“銀座画廊物語”(角川書店)の出版記念会があり参加しました。
吉井さんとの出会いは、私の患者さんとしてが最初ですが、もともと画家を目指していたこともある私にとっては、医学以上の、美術の世界の師匠となり、(おこがましいですが)年長の友人としてもお付き合いいただいています。パリを中心に、サントロぺやオランダなども共に旅をして、その波乱万丈の人生を身近にお聞きしてきました。その、話のエッセンスではありますが、吉井さんの歩んできた記録が出版されたことは、わが身のことのようにうれしいものです。実はこの本は吉井さんの人生のほんの触りだけです。機会があれば、銀座の吉井画廊に出向き、一枚の画の購入がきっかけで吉井さんの世界に触れることができるかもしれません。私は絵の購入とは、その画廊主との時間や価値観を共有する面があると思います。僕は最も幸運でしょうが、吉井さんの美の世界にはまり込み、その人生の美しさや楽しさを味わっています。絵を購入するなら、デパートなどで物品として購入することの空しさを避け、美の先達である尊敬かつ敬愛できる吉井長三さんのような画廊主から購入したほうが絶対に楽しく世界が広がります。


お客さんは実に多士済々でした。会場でこちらに手を振る外国の方に気づきました。実は本日11月28日から吉井画廊で12月11まで開催する、フランスの著名なコルディエ展の為に来日したご家族でした。以前紹介したサントロペの風光明媚なラポンシェホテルを経営しています。ここはフランスなど多くの芸術家や映画スターらに人気で、なかなか泊まれない場所ですが、私も、吉井さんも、わたしの隣の細川さんも宿泊してそのすばらしさを堪能しましました。

この会場には多くの著名な方とその方たちも私の患者さんが重なっています。たまたま、昨日、一昨日と続けて両眼の白内障手術と多焦点眼内レンズ移植術を施行した方がいます。お二人は知る人ぞ知る著名な方です。総合広告業で有名な“電通”の中興の祖である吉田さんご夫妻です。昨日手術したばかりですが、外見には手術した形跡も無いほど完全な回復です。しかも、遠方は両眼とも、裸眼で1.2も見え、かつ近くもめがねが無くて本をすらすらと裸眼で読んでらっしゃります。つまり、今後の人生は遠くも近くも中間も、全てが裸眼でよく見える人生となります。めがねもコンタクトも要らない人生って最高でしょう?
白内障手術は濁りをとることに関心がありますが、世界最高レベルの治療では、手術後に裸眼で生活できるという、ちょっと前では想像もできなかった夢の世界が現実となります。多焦点レンズ移植術は、白内障手術が完璧な出来でないと良い視力は得られず、従来からの単焦点レンズより視力が落ちかねません。最高の結果を出すには、小切開から、完全に正円なカプセルの窓を真中心にCCCで作り、炎症の出ないように超音波白内障手術を極短時間で施行し、カプセルをピカピカになるまで磨いて、皮質の残渣を完全に取り除くような、超上級者の技術が必要です。つまり、多焦点レンズの世界こそ世界最高の技術力である深作眼科で手術を施行することで、最高の結果を得られるのです。現在の日本ではまだまだ認知度が低いのか、実際の施行例は1500例程と少ないのです。しかし、日本全体の施行数の3割以上は深作眼科で施行しており、全例ですばらしい成績を残しています。ちなみにアメリカではビバリーヒルズなどでは、白内障手術時の半数以上がこの多焦点眼内レンズ移植であり、世界ではすでに数十万例が施行されています。あとは、技術の問題なのです。
分野は違っても、日本一のいや世界一の画商人生を切り開いてきた吉井長三さんと、世界最高の眼科手術センターを開設する私どもとは、志では同じなのかとも思います。
夢を語る人生は、じつに面白くまた意義深いものです。人生は美しい、Life is beautiful.