バルテュス、エチカの鏡出演


世界の画家達に大いなる影響を与えたフランス画家にバルテュスがいる。彼はインテリとして生活しながら、独特の挑発的な官能性を表現した。特に若いときは、世間への衝動的ショックを与えようと、かなりたぎり立つ欲望の形象化をしたり、不条理な場面を好んで描いた。一緒に写っているご婦人は、このバルテュスが51歳の時に日本訪問時に、学生だった20歳の節子さんを見初められ、後に結婚した、奥様の節子さんです。節子さんも絵をお描きになり、吉井画廊での個展の際の写真です。

この作品の『街路』は、不条理に満ちた場面を描いている。この左の大人の男は少女にいたずらをしている場面が描かれたり、当時は無作法極まりない場面の連続とみなされた。これを購入したアメリカのコレクターは他のバルテュス作品とともに、ニューヨーク近代美術館MOMA)に寄贈したが、初めはこの絵の展示を同意しなかった。


次の大作の『山』はニューヨークのメトロポリタン美術館にある。ニューロークは実に多くのバルテュスの絵がある。もともと寡作であり作品数は少ない。メトロポリタンに7点で近代美術館にも3点はある。さらに5番街近くの不動産王のビルのプライベート美術館に3点のバルテュスがあった。パリのポンピドー近代美術館では少なくとも3点あった。バルテュスは絵画を独学で身につけた。バルテュスは、セザンヌが提唱した自然を見てその形態の要素を抽出して絵画を作成した考えの継承者である。
これもメトロポリタンにあるバルテュスの絵である。彼は、女の子が大人の女になる途中の少女に強い純粋なエロティシズムを感じていた。大人の女ではポルノになってしまうので、大人になる前の少女を表現することに強い興味を得ていたのである。バルテュスはインテリであり、フランスのサロンの優勝者がローマ賞をとり、数年間の生活費を得ながらローマで生活し作品制作するメジチ館があるが、そこの館長がバルテュスであった。バルテュスの描く油絵は、十分に計算されたテーマとともに、絵肌のマチエールを作るのに時間をかけている。

節子さんの展覧会にもバルテュスを敬愛する面々がそろいました。中央に私。右下には、日本赤十字社の社長である近衛忠輝さんで、近衛さんは、私が敬愛する細川護煕さんの弟さんです。左下は奥様で三笠宮のお嬢さんです。間に細川護煕さんの奥様の細川佳代子さんです。私の右隣は節子さんの展覧会を企画し紹待された日本を代表する画廊主の吉井長三さんです。皆様、多彩な分野で指導的な立場での社会への貢献をされている立派な方達ばかりです。

最近、フジテレビのエチカの鏡に出演した。前回のおもいっきりDONが生放送で私の出番は約40分あった。これに比べて、エチカの鏡は10回ほども取材に来て、録画放映であったが、私の単独出演ではなかった。残念ながら、私が角膜を傷害するから止めたほうが良いと述べたコンタクト装用による近視矯正術も紹介された。これは、アメリカではオプトメトリストというメガネやコンタクトレンズを作る眼鏡士ともいえる職種の人が薦めるもので、我々のような眼科外科医は危険な方法として行わない。ここは、複数の出演者がいたために、本来の正しい意見だけが紹介された訳では無い。
しかしながら、ゴールデンの時間帯の放送だけはあり、実に多くの患者からの問い合わせがあった。実際に千人ほど番組をきっかけに日本中から来院した。これらの患者の多くが、他所の病院で見捨てられた困難な症例や失明寸前の方々であった。
もともと、深作眼科は日本中、いや世界から患者が来ている。サッカーで知られた南米のパラグアイからも患者が来たことがある。今日も、中国の患者が来院して、次回の手術のための日本入国ビザ取得の診断書を書いた。ハワイからは多くの患者が来る。ハワイの眼科レベルはあまり良くないが、手術医療費は信じられないほど高い。最近は海外からの医療ツアー受け入れを宣伝しているタイでも、こと眼科手術のレベルは高いとは言えない。タイで一番の病院で網膜剥離手術を受けたが調子が悪いとタイ在住の日本人が来院した。網膜がはがれたままであり、当院で緊急手術して直した。フィリピンからも黄班円孔の網膜剥離の患者が来た。フィリピンの一番良い病院でも無理だと言われたとのこと。深作眼科で2週間入院予定で手術した。1週間で網膜円孔がふさがり網膜剥離も治ったので、他の網膜剥離の緊急患者と代わってもらった。
深作眼科は網膜剥離の手術で全例100%が治っている。もちろん世界最高の成績だ。この評判を聞いて、日本全国から患者が殺到している。最近は網膜剥離の手術は全てが洗練された硝子体手術と主に空気で押さえて直す。深作眼科は日本で最も多くの眼科手術を施行している。これに対して、入院ベッドの全数が相対的に少なく、入院日数を短くしたり、日帰りも半数では行っている。
日本中から患者が来院すると、多くは救いようが無いとしか言い様がない末期の患者がかなりいる。一昨日手術した患者は網膜炎、緑内障白内障の患者で、視力は無く光のみわずかに感じるだけであった。しかし、手術後に今まで見えなかった眼が見えるようになった。わずかでも見えなかった方には大いなる福音です。患者が今まで全く見えなかったのが先生の顔が見えると手を合わせて感謝する。この患者の感謝が我々の張り合いです。緑内障で40ミリHgと高い眼圧であるのに、大学病院でほうって置かれた高校生を手術した。術前視力は0.08しかなかった。もはや失明しかないとおもわれたが、その日に緊急で緑内障の手術を深作眼科で施行し、半年間も高かった眼圧は正常となっただけでなく、右は0.8で左は1.0も視力が出た。いったん失明した人でも眼圧を下げることで、予備に残っていた視神経の機能が出てきて視力が出たようだ。まさに奇跡が起きたのだが、何事も決してあきらめないで、できるだけ早く深作眼科で治療することで奇跡がおきる可能性はある。世界から来るよりも、沖縄や鹿児島、北海道の離島から来る方々は、2日がかりで横浜の深作眼科に来る。今日も沖縄の患者さんを手術した。琉球大学医学部ではもはや治療できないと放置された網膜疾患と白内障である。これも何とか救えるであろう。
毎日毎日数十人の新しい患者を診て、数百人の再来患者、数十人の入院患者、そして毎日数十人の手術を施行する。私は手術時間は世界で最も早い。急げば白内障は3分で済むし、通常は2時間かかる網膜剥離の手術も40分程度だし、通常は1時間かかる網膜黄班円孔や黄班上膜は20分ほどである。患者は痛みも無く、網膜剥離白内障など全例が治っている。今までに約10万例の眼科手術を施行した。世界で最も多くの症例と最も多くの病気を最高の成績で治癒している。
それでも、未だに深作眼科を知らないで、手遅れになったり、他の施設でいじくられて視力が出なくて何とかしてほしいと来る患者があとを絶たない。もはや深作眼科の活動は崇高な使命感で、一人でも多くの失明の恐怖にいる人々を救おうと戦っている。このためにできるだけ多くの人に情報を知らせてやりたい。眼科の病気は正しい高度な手術で手遅れにならないように治療すれば、全ての病気は治ることができる。この事実を日本人の全ての患者が知る必要がある。
インターネットの情報は玉石混合で、怖い。近くの小さなS眼科で無理をして網膜剥離の手術を何回もして、なんと眼球を摘出した患者が来た。患者がその眼科を選んだ理由がインターネット検索で名前が出たからだそうだ。そのS眼科は患者獲得にインターネットを駆使しているようだ。しかし、手術の実力も無いのに困っている患者を誘導して、網膜剥離で来た患者を治すどころか眼球を摘出したり、眼内レンズを2枚入れて視力が全く出なかったり、内斜視の患者に外斜視の手術をして反対方向に眼がずれたり、眼瞼下垂の手術が得意と宣伝して手術でさらに眼が下がったり、恐ろしい限りで、これら全てが当方に助けを求めてきた実際の例である。医師の仕事は自己責任であるから、むちゃくちゃをしてもコントロールされないこともある。このS眼科での事故が当院に流れてきて、これらの気の毒な患者を何とかしてやりたいと同情する一方で、S眼科の無軌道ぶり、とくにインターネットを使った患者への実態と違う過大な期待と誘導を繰り返していることに激しい怒りを覚える。インターネットを利用する患者はその情報について本当に正しいのかどうかをじっくりと見極めなくてはならない。S眼科で一方の眼を眼球摘出された患者の、残りの他眼は網膜剥離で失明寸前であった。網膜剥離にレーザーを打つ、とS眼科のO医師は宣伝しているようだが、網膜剥離の網膜にレーザーを打てば穴だらけになる。この患者も残った眼の網膜は穴だらけにされて、しかも重症の糖尿病性網膜症で、当方も頭を抱えるような重症患者であった。しかし、私はかつて、網膜治療の最も進んだドイツで、欧州の網膜硝子体手術を学んだが、その技術で手術を施行した。そして、私の手術後に、残った眼は1.2の視力を取り戻した。初めから深作眼科に来れば両眼とも1.2が出たはずなのに、片目は無残にも義眼である。くれぐれも患者の皆さんは正しい情報を吟味して、本当の医療を受けなくてはならない。このような間違った情報を発信し、患者に多くの苦痛を与えるS眼科O医師はいったいどのような良心を持っているのだろうか?私には理解ができない。医療は人々の幸せを得るための使命感に満ちた神聖な職業であるあるはずだ。手術に向いていない医師が自分の興味だけでインターネットを駆使した宣伝をし、まして手術施行をしてはいけない。
医療は断じて生活の糧を得るための仕事では無い。失明の恐怖から救いを求めている患者の為に、患者の為に自らの命を削り、患者を命の限り救おうとする聖職である。そのためには世界の果てでも学びを得て、常に切磋琢磨し、世界の進歩についていかなくてはならない。日本人の中にいかにこの覚悟があるであろうか?少なくとも技量が世界レベルで無ければ、患者の眼に手術をしてはならない。しかし現実はどうか。私は年間約6000眼を手術するが、この何十倍を施行しないと多くの患者を救えない。現実的には、深作眼科に来院した患者は実に運の良い宝くじに当たったような幸運の持ち主であるだけだとしか言いようが無い。なぜなら、深作眼科は眼科の全ての分野で世界最高レベルの治療を提供している、世界的にも稀な、奇跡に近い施設であるからである。