人工虹彩、眼科形成外科は世界では普通だが日本にはほぼ無い不思議


アメリカ眼科学会に出ると日本の問題が分かりやすくもあります。例えば、この人工虹彩などはヨーロッパから発達して、最近はアメリカでも行われるようになったものです。左の目は、日本語では白子もしくはアルビノと知られている方に合併した虹彩異常です。このほかにも日本の患者さんでも、無虹彩症と言われる虹彩が生まれつきほとんど無いとか、怪我や手術で虹彩が切れたりなくなったりする例もあります。向かって右側が、左の患者眼に人工虹彩を移植したものです。
左の虹彩異常はまぶしく視力も出にくいだけでなく、本人にとっては見た目が悪いと、とても気にしています。
日本ではこの見た目を補ってやる医療が不足しています。現に(当院以外での)日本で手術した義眼は動かないので、すぐに義眼と分かり、本人は異常に気にするのです。そしてこの義眼を反対の正常眼と同じように動ける、動く義眼手術を日本で行っているのは、深作眼科で僕が行っているだけなのです。
日本で一人だけしか行っていない為か、日本での保険がカバーしてくれないので、全くのボランティア手術のようなもので赤字の手術で行っています。人を救うということは、日本では先進的な医療人が自己負担で赤字で患者を救っているのです。
この人工虹彩も日本には入っていません。患者は多くいるのにです。しかも虹彩の写真を送って、同じような虹彩の模様と色に職人が絵を描くように仕上げるので手間も費用もかなり掛かります。
日本では見た目の問題を病気ととらえていないのです。治験がメーカーの思惑に合わせてきたために、効きもしない薬を大量に保険適用にして、保険の赤字がすごいというのなら、まずは例えば、全ての薬をアメリカのFDA(食品医薬品局)の厳密でほぼ正しい検査結果にゆだねて、効く薬だけ保険適用にすれば保険金はいくらで余ります。
この金で、動く義眼や人工虹彩の手術を保険でカバーしてほしいものです。目は顔の真ん中にあり、最も目立つ場所です。義眼が動かない為、他人の目が気になるとか、虹彩が無くてまぶしく見えず、見た目もおかしく、他人の目を気にして顔を見れないなどの、患者の苦しみは、本人でないとわからないのです。
これから、ニューヨークでの仕事で移動します。外国から日本を見ると日本のおかしな面が良くわかります。しかし、日本の良さも判ります。日本と同じようなサービスは相当高級な場所に行かないとまずはありません。