How dare you! 日本人の目を守る正義とは?

 

How dare you!(よくもまあそんなことが言えるものだ!How dare you say such a thing!) 

昨日の国連環境問題で16歳の環境活動家のグレタ・トゥンベリさんが、環境問題を後回しにして地球温暖化を無視して世界中に異常気象が起こり次世代の子供たちの地球を破壊している現状を、嘘をついてごまかしている参加した各国の代表へ言った言葉だ。

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大阪講演

先日の日曜日に、実は大阪で開かれた糖尿病関連の講演会で、最新の眼科医療について話した。いや、話そうとした。糖尿病は多くの目の病気が起こる。白内障緑内障、糖尿病性網膜症など世界の失明の1位2位3位のすべてが起こる。それ以外でも多くの目の病気が起こる。講演会では失明に至る目の順番に解説をしていった。特に誰でもかかる白内障は放置しておくと目の中の水が流れる隅角という場所が狭くなり、狭くなったために水の抵抗で眼圧が上がり緑内障となって失明する。国際眼科学会の世界宣言でも、緑内障の治療で最も有効で最初にやるべきなのは隅角を広げるためにも白内障手術をすべきである。という宣言がなされた。そして近年は多焦点眼内レンズの進歩が著しい。僕はこの多焦点レンズの一番最初から開発のグループの中にいる。最初にカナダのギンベル先生から誘われて、カナダの患者800人の多焦点レンズ移植術の手術後観察にかかわった。あれから30年弱もたった。日本で最初に本当の多焦点レンズ移植術も僕が行った。最初期の手術患者の細川護熙さんは十数年経つが、いまだに遠方近方とも良好で視力は裸眼で1.5も見えている。僕が眼科医となり目指したのは、裸眼ですべてが見える方法である。このために若い人ではレーシックの開発も行ったし有水晶体眼内レンズもいち早く日本で行ったし、白内障世代では多焦点眼内レンズを世界で最初に始めたグループにも入って海外で経験を積んだ。昨年のワシントンでの眼科の世界大会では、多焦点眼内レンズの世界から集まった結果の集大成を討論した学会で、パネリストとして一日中,世界からの発表へのコメントを、数千人の世界の眼科外科医へ発言した。文字通り、多焦点眼内レンズの世界の第一人者なのである。ところが日本国内にいると本当の多焦点レンズへの情報が入らない。この為もあり、大阪の講演会の参加者にも最先端のレンズ情報を伝えた。多焦点レンズの欠点である一時支払金が自費で高価であるのか欠点であることを指摘し、一方では保険適応の単焦点レンズであっても、これも僕が開発したモノヴィジョン法という方法で、それなりの裸眼視力が得られることも伝えた。非常に公平に話していたのである。僕は常にフェアであることを心掛けている。

ところが、この講演途中で、どうやら眼科医らしいのが参加していたようで、前に座った女が、質問時間が後でとってあったにもかかわらず、許可もなく匿名で、突然ヒステリックに「開放隅角だろう!」と怒鳴ったのである。僕はそのヒステリックな態度にムッと来たが、110名以上いる、僕の話が楽しみだといて参加してくれた聴衆者がいたのでおとなしく「そう開放隅角ですよ。でも白内障を放置していると、隅角が狭くなって緑内障が起こる可能性があり、白内障の前に緑内障で失明する方が多いのですよ』と答えた。しかし、その女は変わらずにヒステリックに、開放隅角だろう!と叫ぶ。どうやら緑内障が起こる仕組みを知らないらしい。このレベルの眼科医が日本では多いのですよ。さらに、興奮したのか、「糖尿病性網膜症を話さないで、多焦点レンズを宣伝している!」などと怒鳴るようになった。一対一なら退場してもらうように言っただろうが、他の僕の話を楽しみにしている方への意識も強いので、さらにおとなしく「順を追って話している。あとで糖尿病性網膜症も話します。それに宣伝など毛頭考えておりません」とおとなしく答えた。患者があふれかえっている当院で何が悲しくて宣伝などする必要があるものか。おとなしく答えたが、僕は怒りと悔しさで涙さえにじんだ。その女はぼくがおとなしく対応したからであろうか、さらに興奮して怒鳴っていたので、他の医師も含めた多くの参加者から、この無礼極まりない女に対して、「白内障の多焦点レンズの最新情報など聞きたいと思って楽しみできた」「深作先生のお話を、はなはだ失礼な態度で中断するのはやめてくれないか」「世界第一の眼科医に、免許があるかもしれないが見当はずれの自説を言う目医者は失礼極まりないし、拝聴したい我々に迷惑なので静かにしてくれ」という言葉が会場から届いた。

そのあと、僕は精一杯冷静に勤めて、話を終えた。ただ、目の前で訳の分からない遅れた知識しかない眼科医もどきが座り、侮蔑の言葉をまたは吐きやしないかとの思いで、すっかり調子が狂った。基本的に今の日本の眼科手術医療が世界の標準からかなり遅れており、治る目の病気が間違った遅れた眼科医療により、失明に至っているのが現状であるために、何とか世界最先端の医療を知識だけでも知ってもらって、人々の目を救う一助にしたいと、講演会を引き受けて話している。ところが、こんなヒステリックな女が前にいるだけで、大切な情報を伝えられなかった。網膜剥離の手術に日本で主に行っているバックリングは今や時代遅れであり、先進国で行っている最先端の硝子体手術で適切に手術すれば、網膜剥離は全て治る、などのいくつかの事項を伝えることができなった。さらにもっとも重要な情報の、手術の腕の差が手術後の視力そのものにつながる事実。つまり最高の眼科外科医を見つける努力が最も重要だというポイントも、ヒステリックな女が宣伝だなどと言ったので、伝えられなかった。

昨日も今日も朝早くから診療をして、もともと予定していた手術も多いのだが、さらに臨時の網膜剥離手術などを入れてしまい、また夜の10時過ぎまで手術室にこもった。スタッフは11時までかかった。この為にスタッフにタクシーを用意したり、帰宅できない者へはすぐそばのホテル宿泊を用意していた。日本のように手術代金が安い国では、このような過重な手術日程を立てると、手術している僕だけでなくスタッフも過酷な労働で疲れ果てる。さらに、タクシー券やホテル代金、スタッフの時間外労働など払うと完全な赤字の手術治療をしているのだ。このような治療を続けているのは、何とか人を助けたい、その一念だけでやっている。経済観念など全くない。やればやるほど、日本の安い手術代金や本当の国際基準の治療をしている当方には、補助も全くない状況では、赤字の手術を強いられているのだ。おかしな話で、大学病院など手術練習を中心としている研修病院には補助金が出される。昨日の手術も網膜剥離を研修病院で8回も受けて、網膜がボロボロになっている患者の手術を治す手術を施行した。研修病院は8回分の手術代金を取り、補助金ももらい、それで手術は失敗して失明の恐怖で、日本で最も良い病院の深作眼科を見つけて来たのだ。そして、夜中の手術を施行して、深作眼科は経費が掛かり赤字で手術終了したが、患者は治って喜んでいる。

これっておかしいだろうとは思う。でも患者を救いたい一心で常日頃頑張っている。ところが、大阪講演でのヒステリックな目医者から投げかけられた「宣伝しているだろう」との心無い言葉が刺のように引っかかっている。もう頑張るのをやめようかとも思ってしまう。僕の体力を支えていたのは多くの患者からの助けを求める声と声援である。でも、なぜ赤字で自らの命を削り、患者の目を守っているのに、しかも、患者の目をつぶしているのが、知識も技術もない、あの怒鳴って講演を中断させた目医者なのだから。見方を変えると、こんな不愉快な目医者の治療の失敗した患者の目を治しているということは、こんな不愉快極まりない目医者の尻ぬぐいを、僕は自己犠牲で行っているのだともいえる。こんな感謝するどころか実に不快にさせるバカな目医者の尻拭いなどやってられない、という思いが湧き出てくる。人を救うために正しい情報を伝えているのを、よりによって、宣伝だ!などと、それも多くの人々が楽しみにしていた講演会に潜り込んで、怒鳴りながらヒステリックに叫ぶのが、目医者のひとりなんですからね。あれから3日経つのに、頭が痛くて気分がすぐれないのです。それもで最も、今日も遅くまで白内障緑内障の手術をした後に臨時の網膜剥離の手術までこなした。いつまでもこんな自己犠牲は続けられない。人を救うという使命感が、頭のおかしな技術の知識の全くない目医者により、調子をおかしくされてしまう。

まさに、その狂った女への言葉が、How dare you! (よくもそんなことが言えるものだ!)である。環境を壊す輩も大きな問題だが、医療の名のもとに間違った目をつぶす行為を繰り返す、これらの目医者はより大きな問題を含んでいる。しかし、やはり正義が勝たなければこの世は闇なのである。

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Kちゃん

そう憤慨していたら、本棚に飾っていた子供の患者さんの手紙が目に入った。○○ちゃんは視力が0.02しかなくなりT大学で誤診され治療法が無いとされました。そして残酷にも、この○○ちゃんに、盲学校に行けと告げたのです。困り果てた母親が懸命に探して、日本に世界的な有名な眼科医があると聞き、当院に来ました。そこで僕が診察して誤診であることを診断しました。発症後時間が経っていて治療が難しかったのですが、僕の治療が奏功し、0.02から0.7まで視力が回復しました。この○○ちゃんは、その後、普通の小学校に入り元気に通っています。そんな子が僕に手紙を持ってきてくれるのです。この写真がその手紙の一つです。この手紙は僕の宝物です。そして、僕は、やはり患者を救うために、わが身を粉にして、全身全霊努力するしかないと、あらためて決心したのです。たとえ、愚かな目医者が実に不愉快な妨害を繰り返しても、僕が救うのは、患者そのものであり、この医療の仕事を選んだのは、聖職であると、人を救いたいとの一心からであり、その心はどんな邪心よりも強く、このような頭の狂ったとしか言いようのない、間違った医療を繰り返す目医者から、患者を救ってやろうと思うのです。これはほとんど神からの啓示を受けた世界なのです。