主治医が見つかる診療所出演し、網膜剥離手術について解説

深作眼科理事長の深作秀春が、『主治医が見つかる診療所に』出演し、『網膜剥離と手術』について解説する。

”放っておくと危険な眼の病気「網膜剥離」”という題で、
6月2日テレビ東京(7チャンネル)で、午後8時から1時間の放映予定。

昨日のテレビ東京の収録は大変だった。眼科国際学会WOCと重なって、しかも締め切りの原稿を朝6時まで書いていたことと、最近さらに網膜剥離の患者がますます増えて、しかも重症の患者ばかりで毎日深夜まで手術を施行して消耗押し切った週末にテレビの収録があった。
今テレビを見たら、以前深作眼科で網膜剥離の手術をした方のボクシングの世界タイトルマッチ防衛戦をやっている。従来から言うように、バックリングの手術では網膜剥離は完全治癒ができない。なぜなら網膜剥離の原因である硝子体線維が残っているからである。他にも欠点が多い。冷凍凝固をするので、広範囲な網膜に壊死を起こす。眼内に強い炎症とそれによる混濁が残り視力が出ない。また、完全治癒にはならないのは、もし手術後にボクシングの試合を行えば、また眼球に衝撃が加わりバックリングがずれて、眼球内に残っている硝子体線維が強く揺れ、また新しい穴が出来て以前よりさらに重症の網膜剥離となる。これが理由で以前のボクシングコミッショナー通達では、網膜剥離を起こした選手は引退を勧告された。ところが、深作眼科の網膜剥離の手術は、原因である硝子体線維を完全に除去し、しかも0.4ミリから0.7ミリという範囲の極小切開のトンネルから器具を入れて手術終了時には傷はふさがっている。冷凍凝固などの野蛮な道具は使わない。手術中に完全に網膜を復位させて、その穴の周りにレーザーを打っている。レーザー部分は小さいだけでなくほとんどが将来機能を復活できる。冷凍凝固をすると凝固部分と周辺部分が壊死を起こし大きな網膜裂孔が新たにできるようなもので最新網膜手術ではほとんど使われない。よって、バックリングと冷凍凝固の手術後は仮に視力が出ても完全治癒でなくいつ再発するかわからない為に、「寛解(完全治癒ではないが、とりあえず落ち着いている状況)」というべきである。

この試合中に記録した写真だが、顔面に強烈なパンチを受けている。今回が3度目の防衛戦で勝ったが、とてもかつて網膜剥離を起こした選手だとは思えない。実は彼は以前に網膜剥離を起こして近所の大学病院分院でバックリングの手術を受けている。ところが試合でまた再発し、二度目の手術でほとんど見えなくなった。引退を覚悟したが、他の紹介で深作眼科を受診した。かれは左眼を旧式のバックリング手術と冷凍凝固手術を受けて大きな網膜裂孔が口を開けていた。右眼は網膜剥離だが放置されていた。プロボクサーにとり引退は失業となる。かれは私の手術を受け、すでに2度手術を受け0.1以下になっていた左眼は術後0.8になり、放置していた網膜剥離が起きている右眼は初めから手術したので1.2まで回復できた。そして、復活し今や3度も防衛する世界チャンピオンである。彼は接近戦のブルファイターでありいかに眼球に衝撃が来るか写真を見るまでも無く分かる。深作眼科の手術を受ければスポーツなども含め日常生活は完全に元に戻るのが分かろう。他院とは手術の質が全く違うのだ。世界最高の網膜剥離の手術施設は深作眼科であることは手術件数で世界一であることから分かるかもしれないが、このようなプロボクサーという過酷な環境でも耐えられることから手術の質の高さが実証されている。深作眼科で手術したプロボクサーが復帰できるようになったために、昨年から、「完全治癒した網膜剥離術後者は試合に復帰できる」とコミッショナー通達が変わった。しかし、これは「深作眼科での網膜剥離手術を受けて治癒した者は復帰できる」というのが実態である。Y選手の眼は他の正常な人の眼よりも強くなったと言えるのだ。なぜならあれだけパンチを浴びれば、普通の眼の強度だと網膜剥離は来るほうは普通だ。深作眼科で手術を受けた眼球は衝撃への補強もするので、前より強くなるのだ。
 しかし、他院の手術をすでに受けている眼を手術することがいかに困難かは想像がつくであろうか?私は世界で手術時間が最も早い。白内障なら4分程だし、網膜剥離なら30分程で完全治癒させる。ところが、他院でバックリング、とくに眼球強膜壁の中にシリコンプレートを埋め込むインプラントなどされていたら、そもそもそれは取り出せないことも多い。強膜インプラントなどは絶対にやってはならない。これは時代遅れであるだけでなく、時間と共に眼球内に入り込んで広く網膜を破り、二度と視力回復をできなくなることもある。バックリングを除去する手術は保険にない為に、当院では無料で行っている。なぜ、他院での不始末を当院で負わねばならないのか、正直不愉快だし、他人の失敗を引き継ぐ気苦労は並大抵では無く、しかも30分で終わる手術が1時間も2時間もかかってしまう。当院は手術室が6室あり4人の術者が同時に手術している。私は通常2室の手術室を交互に手術する。毎日数十人の手術があるが、最近の私は網膜剥離の手術ばかり行っている。毎日12人ほどになる。初めから深作眼科に来た網膜剥離の患者なら12人でもX30分で、6時間ほどで完治できる。他院ですでに手術した患者が入れば2倍以上の手術時間が掛かることになる。現に多くの来院患者が日本全国から来ることもあり、各地の基幹大学病院で手術をして失敗した患者が7割ほどを占める。どんな急いでも、最近は朝から手術を初めても全例終了するのに、夜の10時頃までかかってしまう。重症例が多いと明け方の2時や3時などとなる。
 他院で手を付けていないで、深作眼科に手遅れになる前に来院して網膜剥離手術を受ければ、現在までのところは100%の治癒率と術後の視機能の改善を誇っている。さらに大事なのは、手術後に何年かして、白内障緑内障を起こす事もある。この白内障手術の近代的方法の多くは深作眼科で開発されたものであるし、緑内障のじつに多くの器具や手術法も開発している。もちろん昨年度約1600例施行し約800例の重症網膜剥離を治した網膜硝子体手術だけでなく、約5000例の白内障手術、約400例の緑内障手術ともに、日本では毎年最多の手術経験を持っている。つまり、常に後の手術の可能性を考えて、例えば緑内障手術の為に結膜を気付けないように保存したり、水晶体も触らずに保存したりしている。すべてに目を配っている手術であるからこそ、合併症も後遺症も起きないで、世界最高の手術後の視力を得ているのだ。
 最近の激務と収録当日は原稿の締め切りで朝までかかってやっと書き、さらに東京の国際眼科学会に出向き、食事も摂れないまま、深夜までのテレビ収録があった為に胃が痛くなりキリキリと痛い胃で説明していた為に、かなり早口になっている。声音も普段より高くかすれている。疲労の極致であった。
このような事情も考慮して、5月12日の午後八時からのテレビ東京(7チャンネル)をぜひご覧ください。動画の方が理解しやすいので、患者さんの話も聞いてください。
他で手を付けずに、もちろん手遅れにならないうちに深作眼科で網膜剥離を手術れば、必ずや治る。これは宣伝では無い。来てくれと言っているのでは無い。いかに多くの患者が他院で手術失敗してから来院して、「早く深作眼科のことを知りたかった。」と泣きそうな顔になっていることか。深作眼科は年間約1万人の患者を手術して、あらゆる眼の病気の患者を救っている。
 深作眼科横浜本院は日本最大級の眼科施設だが、これでも足りなくなり、いま9階建ての六本木院を建築中である。東京ミッドタウンの前で大江戸線六本木駅を上がると目の前である。東京の患者さんには大いなる福音である。患者対象は世界中である。特に大使館の多い地域であるので、横浜本院と同じように世界中の患者に対応している。いまでも北米、南米、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアと、世界中から実に多くの難病患者が手術を求めて来院している。もちろん北海道から沖縄まで日本中の患者が中心だ。『手遅れになる前に、また他で手を付けずに深作眼科に至急行こう!』と眼で困った人を見つけたら、このように教えてその患者を救ってほしい。
 先週5歳の男子の網膜剥離を手術した。この患者は先月に、他病院にて何と同時に両眼の網膜剥離に対して、先進国では10年以上前に消えてしまった古典的方法の、大きなシリコンプレートの「バックリング手術法」を行っていた。こんな方法で、もちろん治るわけが無い。網膜は両眼とも網膜全剥離でひどい増殖膜が張っている。


他院での手術後のこの眼底写真を見て分かるように、もはやほとんど視機能回復の望みはないが、数日前に左眼を当院で手術して網膜を付け復位させた。他院のカルテを即時出せと要求したが、他病院は結局出さずに手術には間に合わなかった。私はこのような気の毒な特に子供の患者をみると暗澹たる思いで胃が痛くなる。この子の将来はどうなるのかと患者に身を入れ込み過ぎてしまう。

手術直後の眼底写真である。シリコンオイルが入っているので、少し反射光が屈折している。この時点では何とか網膜復位している。望みが出てきた。しかし当院での修復手術中を振り返ると、この患者は他院に於いて、信じられないくらいに大きなシリコンプレートでバックリング手術されていたのだ。前医のカルテも無いので、まさか、こんな小児にこれほど大きなシリコンプレートを縫っているとは思わなかった。しかも、大きなシリコンプレートを縫う際に針で眼球壁を貫通したらしく、網膜に6か所ほどの明らかに針で刺した穴が開いていた。もちろん網膜は完全な網膜剥離で増殖膜がひどく張っていた。しかも、バックリングを縫う時に穿孔創から出血したらしく、患者家族には硝子体手術を併用したと説明していた。この硝子体手術がまた問題で、他院での硝子体カッターで水晶体の後嚢を突いて破っており白内障を併発していた。このような困難な症例でもあきらめずに、後嚢の破けた水晶体の白内障手術も併用して、ひどく張った増殖膜を丁寧に外して、網膜復位術を施行したのだ。
 これだって、深作眼科で初めから手術をしていれば、ずっと短時間手術ですっと楽に手術でき、明らかに完全治癒しただろう症例だ。悔しくなる。患者に情報があれば、手術経験の浅い病院で子供が手術を受けないですみ当院で治せたのに。アメリカなどでは子供手術は小児病院ではもちろんしないで、十分以上の成人手術の経験のある術者でなけれさせてもらえない。私はすでに10万件以上の白内障と硝子体手術を中心に経験している。
 難しければ難しいほど、他院で手を付けずに深作眼科に行くようにアドヴァイスしていただきたい。それを聞いても来ないのはもちろん構わない。そもそも宣伝するつもりは全くないし、当院で日本人1億3千万人を全員救うことなど物理的にできない。ただし、手を付けなければ手術時間も早く手術成績も圧倒的に良い。つまり圧倒的多数の患者を失明の危機から救ってやれるのだ。初めから深作眼科で網膜剥離の手術をした患者の、手術後の視力も素晴らしく良い。人は他人を幸せにする気持ちをいつも持つべきである。ぜひご紹介してください。我々日本人が一人でも多くの失明の恐怖に怯えている同朋を救う為に協力していただきたい。
 尚また、患者層であるが、昨年度の網膜硝子体手術約1600件中で、網膜剥離手術件数は約800件だが、ボクサーはせいぜいが20件程で2%に過ぎない。また、もちろん子供より大人の患者の方が圧倒的に多い。つまり、一般の患者の網膜剥離を多く治しているので誤解無きように。